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病院広報「青い鳥」

青い鳥

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平成27年07月03日 発行 病院広報 第87号

減塩のススメ

栄養管理士 柿﨑 愛子

分かっているけれど・・・

「お刺身にたっぷりお醤油をかけて食べるのが好き。」「ラーメンのお汁、塩分多いのは分かっているけど、残せない・・・。」食塩の摂り過ぎが体に良くない事は、皆さん良くご存知ですよね。分かってはいるけれど、長年の食習慣による味覚は変えられないという方も多いと思います。元々、醤油や味噌などの食塩が多い調味料を使って調理する事の多い日本人は、世界的にみても食塩摂取量が多いと言われています。また、食の多様化によって外食の機会が増え、加工食品やお惣菜が食卓に並ぶようになると、無意識のうちにたくさんの食塩を摂っているという事もあります。

高血圧の怖さ

日本では、成人の3人に1人が、高齢者になると3人に2人が高血圧と診断されています。血圧が高いからといって痛みや痒みが伴うものではなく、未治療のまま放置している人も多いようですが、高血圧は「サイレント・キラー」と呼ばれ、治療せずにいると動脈硬化が進み、臓器が障害され、やがて脳血管疾患や虚血性心疾患、腎機能障害などを合併してしまいます。高血圧予防には生活習慣の改善、特に食塩摂取量の適正化が有効なのです。

食塩摂取量の現状と目標

国が平成25年に実施した国民の健康・栄養調査の結果によると、成人の食塩摂取量の平均値は、男性で11.1g/日、女性で9.4g/日となっています。平成15年で男性12.7g/日、女性10.9g/日あったものと比べると、この10年で約1.5g減少し、少しずつ減少傾向にはなってきています。しかし、WHO(世界保健機関)は、成人の食塩摂取量を5.0g/日未満、米国では6.0g/日未満を推奨するとしていて、白米を主食とする日本人にはなかなか難しい値になっているのです。実際、日本で食塩摂取量が5.0g/日未満の人は極わずかであると言われています。こうしたガイドラインや調査の結果、日本の現状を考慮し、国は、高血圧予防と言う観点から食塩摂取量の目標量を、成人男性で8.0g/日未満、女性で7.0g/日未満と決めました。高血圧と診断された人に関しては、日本高血圧学会が6.0g/日未満に抑えるよう推奨しているのです。

どのくらい摂っているの?

では、実際にどのくらいの食塩を毎日の食事で摂っているのでしょうか。簡単な献立を例に挙げて見てみましょう。 例1)トースト(6枚切り1枚、バター8g)、コーンスープ、ハムエッグ(卵1個、ハム2枚)、サラダ(レタス、きゅうり、トマト、ドレッシング)、トースト・・・1.0g(食パン1.0g、バター0.2g)、コーンスープ・・・1.3g、ハムエッグ・・・1.4g、サラダ・・・0.5g

合計4.4g

例2)牛丼(御飯250g、具300g、紅生姜5g)、味噌汁(わかめ、豆腐)、牛丼・・・6.0g(御飯0g、具5.3g、紅生姜0. 4g)、味噌汁・・・1.5g

合計7.2g

例3)御飯、味噌汁(豆腐、なめこ、ねぎ)、鯵の塩焼き、ほうれん草のお浸し、南瓜の煮付御飯・・・0g、味噌汁・・・1.4g、鯵の塩焼き・・・2.0g、ほうれん草のお浸し・・・0.6g、南瓜の煮付・・・0.9g

合計4.9g

 これら3食を合計すると、なんと16.5gになります。驚きませんか。毎食こんなに色々な料理を食べていないという方でも、どれか1食を例にとって考えてみてください。男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満という事は、1食あたり男性で2.6g、女性にいたっては2.3gに抑えなくてはならないと言う事なのです。

減塩のコツ

減塩を成功させるには、まず良く利用する調味料や食品にどのくらいの食塩が含まれているかを知る事です。
醤油や味噌、梅干などに食塩が多く含まれている事は、皆さん良くご存知だと思いますが、ハムや魚の干物、食パン、ラーメンなどの加工食品にも意外と多くの食塩が含まれています。パッケージなどに記載されている食塩量をしっかり確認する習慣を付けていきましょう。もし、ナトリウム(g)とあったら、その数字に2.54をかけた数字が食塩相当量になるのです。
 食材選びも大切です。食材そのものにも食塩は含まれていますので、旬の新鮮な食材を選び、少量の調味料で調理するようにしましょう。また、野菜や海藻類、果物などには、食塩を体外に排泄する作用があるカリウムが多く含まれていますので、積極的に摂るようにしましょう。調理の際は、必ず計量スプーンを使って調味料を計りましょう。最初は面倒であっても、やっていくうちに慣れてきます。また、旨みは減塩の強い見方です。顆粒だしや洋風スープの素などには、多くの食塩が含まれますので使用には注意が必要ですが、昆布や椎茸などでとった出汁を使えば、上手に食塩を抑える事ができます。また、1品に集中して味付けをしたり、レモンやお酢などの酸味や香辛料の辛味を利用したりするのも良い方法です。
 外食する時は単品より定食を選び、麺類を食べる時は汁を残すようにする事です。万人受けするように、しっかり味付けされたものばかりですから、卓上調味料などは使わないようにしましょう。現在では、1食当たりの栄養価を表示しているお店も増えていますので、その様なお店を選んだり、食事を注文する際には表示を確かめてから注文したりするなども良いでしょう。いずれにしても、外食ではたくさんの食塩を摂ってしまいます。1日に2食以上利用する場合は注意が必要です。

さいごに

減塩といっても、食べていけないものはありません。問題はその量なのです。全体的に食事量の多い人は比して食塩摂取量も増えます。適切な食事量で理想体重をキープする事も大切です。そして、肉魚、野菜に果物、穀類など、様々な食材を使ってバランスの良い食事をこころがけていきましょう。

参考文献
香川達雄(2012)『究極の減塩』 女子栄養大学出版部 192p
香川達雄(2013)『塩分早分かり 第3版』 女子栄養大学出版部 191p

熱中症について

これからの季節は気温が高くなり、熱中症になりやすいため注意が必要です。今回は「救急医療学会」が出している「熱中症ガイドライン2015」を参考にして、生活上の注意点についてお伝えします。

○熱中症

熱中症は、体内での熱の産出と熱の放散のバランスが崩れて、体温が著しく上昇した状態です。体への熱の出入りに関係する条件として、気温が高い、風が弱い、日射・輻射(放射)が強いなどは、いずれも体からの熱放散を妨げる方向に作用するため、「熱中症の発生リスク」を増加させます。
熱中症リスクの目安として「暑さ指数」※が推奨されており、これによると熱中症患者が急増する暑さは指数28℃は「気温」31℃、熱中症による搬送者が大量発生する暑さ指数31℃は「気温」35℃にあたります。また、暑さ指数とは別に、気象庁では、最高気温が概ね35℃以上になることが予想される場合に「高温注意情報」を発表しており、こちらも注意して確認することで、暑さに備えることができます。
※「暑さ指数」:熱中症を予防することを目的にアメリカで提案された指標で、気温とは異なります。

○何を飲めばいいか?

推奨されている飲水量は高齢者を含む学童から成人が500~1000㎖/日、幼児が300~600㎖/日、乳児が体重1㎏当たり30~50㎖/日を目安とされています。熱中症の際には、水分とともにNaなど電解質の喪失があるので、Na欠乏性脱水が主な病態であり水分の補給に加えて適切な電解質の補給が重要です。そのため、熱中症の兆候を認めた際には特に塩分と水分が適切に配合された経口補水液が適切と言われています。日本ではオーエスワン(OS‐1:大塚製薬工場)が普及しており、下痢や嘔吐などの症状を認めていても水分や電解質の吸収力を高める特性があります。

○予防として何をすればいいか?

予防としては、健康な成人であれば、夏バテを感じた際には市販のスポーツドリンクを飲むことで、熱中症の予防になります。ただ、スポーツドリンクは塩分量が少なく、糖分が多いことを注意しておく必要があります。 熱中症には水分だけでなく塩分補給にも注意する必要があるので、皆さんも気を付けて過ごして、夏を元気に乗り切ってください。

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